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不眠改善に鍼灸を


当院に来院される患者に於かれましても、本当に睡眠が取れているかと言えばそうではないのが現状です。

いくら口頭で「十分に寝ている」と申し上げられても、気が付けば欠伸が頻繁という状況です。

 

長時間同一姿勢での同内容な作業、退屈な労作…確かに作業にマイナスとなる要因は幾らでもあれど、期限の差し迫った状況でも今一つ士気に活力を見出せない方は多いです。

 

これでは生産性(Productivity)を十分に確保しようとしても確保できません。栄養源であるグルコース(葡萄糖)の消耗の度合いによっては、脳が疲弊状態になります。身体が「未だ未だ活動できる」状態でも、基礎三大生活要素のうち「睡眠」の部分が疎かになるのでは、心身の破綻は自明です。

 

睡眠効率の悪化により認知症へのリスクは格段に向上します。近年、運動と認知症の関係がよく取り沙汰されていますが、基礎代謝を上げることで骨格筋から分泌されるイリシンを活性化させ、脳の細胞死を抑制する神経栄養因子(BDNF)を増やし、海馬の神経細胞の活性化や神経伝達機能を向上させる働きがあるとされます(※今後、更なる研究が求められます)。

 

閑話休題。当院でも睡眠効率の向上化に鍼灸が役に立てれば、と考えます。現状、鍼は「刺されるのが怖い」といった具合のイメージが未だ未だ先行していますが、当院で鍼灸施術を受けられた患者の殆どは、その最中に眠りに入ります。鍼を刺している最中は、交感神経よりも迷走神経(副交感神経の意味合いで)の働きを優位にさせていく意味合いもあります。

鍼には鎮痛作用もありますが、温経による温熱療術と組み合わせて「反射作用」を高めていくことで不眠改善へのアプローチをしていきます。